「ほんとに、一体いつ終わるんだろうね...」
一向に収束の兆しを見せないコロナウイルス。
ニューノーマルな暮らしに、
ようやく私たちにも馴染み始めた頃ですが、
今までのように、夜遅くまで飲めたり、
気兼ねなく旅行ができる世の中になるには
まだまだ時間がかかりそうですよね。
デルソーレは、そんなコロナ禍真っ最中の
2020年11月に銀座にオープンしました。
お客様から、
「なんでまた、このタイミングにオープンしたの?」
と、ご質問をいただくことも多いので、
今日は、
そもそも、なぜスナックを始めたのか
なぜ、あえてコロナ禍で開業したのか
について、お話しさせていただきますね。
「時間がない」から生まれたアイデア
会社員の時から、お酒を囲む場が大好きだった私は、
週5で飲み歩くだけでなく、
飲み会やホームパーティーも頻繁に開催していました。
ですが、産後はそういった機会が、
めっきりと減ってしまったんですね。
だからこそ、
たまに夜、子どもを預けて出掛けられる時には
ここぞとばかり
「よっしゃー!遊び倒すぞー!」
と思うようになったんですね。
「あの人にも会いたいし、この人にも会いたい!!」
ほぼ毎晩飲み歩いていた私にとっては、
一晩では時間が足りません(笑)
「かと言って、まとめて呼ぶ訳にもいかないし。
限られた時間の中で会いたい人たちに会える、
何かいい方法はないかな?」
そんな風に考えた時に、
「あ!」
と、ある場所が頭の中にひらめきました。
そうだ!“スナック”をやろう
20代の頃から、
一人でフラッと飲みに行ったり
会社員として働きながらもコッソリと
バイトさせてもらっていた経験もあったので
「いつかは自分のお店を持ちたいなぁ」
とぼんやり思っていました。
カフェでもなくBARでもなく、
スナックという空間は、
初対面同士であろうと関係なく
その場にいる全員が一体となって
その瞬間を楽しむことができます。
それに、私の大好きな人同士が繋がる場なんて
絶対に楽しいはず!
そのように思ったので、
迷わずスナックを選びました。
そして、様々な場所をお借りして
イベントのような形で不定期に
「スナック恵」を開催するように。
3時間限定!プレミアムフライデー
そんな中、
麻布十番にあるBARとの出会いをキッカケに
週1で「昼スナック恵」を始めることになりました。
毎週金曜日の午後2時〜5時の
3時間限定です。
BARとしては、昼間は使っていない。
私は、子供が幼いので昼の方が動きやすい。
ということで双方のニーズが一致し、
快く貸して頂けることになりました。
自分が好きな人たちを集めて、
その人たち同士も繋がったら、絶対楽しいはず!
という完全に自己中なスタンスで始めた
「昼スナック恵」ですが、
2年間、毎週欠かさず続けているうちに、
予想以上に多くの方に訪れていただき
様々な化学反応が生まれるように。
やりたいことで居場所を作る
「平日の2時から5時に、
飲みに来る人なんているの???」
よく言われます。
私自身、初めた当初はその点が一番の不安でした。
しかし
毎回異なるテーマを設けたり
面白い方をゲストを呼んだりと
試行錯誤しながら毎週毎週続けていくうちに
段々とお客様が増えていき、
そしてたくさんのメディアにも
取り上げられるようになってきたことで
昼スナックは日に日に賑わいを見せるように。
自分でいうのもあれですが、
「みんなに必要とされ愛される場所に成長してきたなぁ‥。」
と、実感するとともに
「複数の肩書きを持って様々な仕事をしているけど
スナックで"ママ"としてカウンターに立っている時間が
一番、私らしい瞬間なのかも?!」
そんな風に思うようになりました。
「上林恵といえば、昼スナックのママ」
いつの間にか、
周囲からの見え方は、完全にそうなっていたんです。
そんな好調の真っ只中、
突然、コロナウイルスが猛威をふるってきました。
スナック恵が始まってから
2年が経とうとしていた頃のことです。
コロナが教えてくれたこと
世の中がざわつき始めた2020年3月。
緊急事態宣言が発令されステイホームを余儀なくされました。
これまで当たり前だったことが、
ある日を境に突然、当たり前ではなくなります。
スナック恵も例外ではなく、
余儀なくストップすることに。
その時になって初めて、
「そうか。やりたいことって、いつでもできる訳じゃないんだ。」
という事実に直面しました。
人生何があるか分からない
会いたい人と会えない、
やりたいことができない、
一人悶々と悩み模索していたステイホーム期間中、
ハッとする気づきがありました。
今まで私がやってきた活動や過ごしてきた時間は、
「ただ単に楽しいから」とかではなくて、
「自分が自分らしく生きていく上で、
絶対に不可欠な時間だったんだ」
ということを、心から実感した瞬間です。
これまで私にとってスナックは
「趣味の延長」あるいは「ライフワーク」
といった位置付けでした。
でも、この瞬間
「ちゃんと腹を括って、事業にしていきたい。」
「私はここで生きていく!」
と、決めたのです。
人生、いつ何があるか分かりません。
だから、
「自分が本当にやりたいことは、
多少無理してでも、今すぐ、やろう!」
コロナをきっかけに、
ガラリとマインドが変化しました。
自分の店を“持ちたい”から“持つ”にシフトチェンジ
コロナのおかげで、
私の中で自分の店を持つことへのスイッチが入りました。
もともと
「お店を持つなら銀座」と決めていたのですが、
銀座というエリアは、
「飲食素人の個人が店を始めるにはハードルが高い場所」
というのを周りから聞いていたので、
正直ビビっていました。
ピンチはチャンス
でも、あえて多くの人が飲食に手を出したがらない今だからこそ、
「素人の私でも、今なら新規参入できるかも?」
とも思ったんですよね。
やってみて、うまくいかなければ辞めればいい。
でも、やってみないまま人生終わったら、きっと後悔する。
だったら、気持ちが温まっているうちに
自分のお店をオープンさせた方が人生ハッピーだよね!
そんな風に、物事を捉えるようになりました。
逆境の中で生まれたエネルギー
ふと、周囲に目を向けて見ると、
私の周りには、やりたいこと、
夢や想いを持っている人がたくさんいます。
その一方で、
「今このタイミングに一歩踏み出してもいいんだろうか‥」
と新しいアクションを躊躇している人も少なくありません。
自粛ムードの今だからこそ
「個人の想いある小さな一歩を全力で応援したい」
「ポジティブなエネルギーを循環させたい」
と、ますます強く思うようになりました。
身近な誰かが小さなチャレンジを起こすことで、
「自分も頑張ろう」と前向きな気持ちを持つ人が、
増えると信じています。
このような想いから、
2020年6月、自分のお店を持つことを決意しました。
野崎 麻里昼はセールスコピーライター・夜はスナックのママ
「人生すべてコンテンツ」をテーマに、ぶっ飛んだことをするのが大好物なのんべえ。
デルソーレが大好きで、地元別府に2024年12月、デルソーレの妹店「別府ストーリースナック・デルソーレ」をオープン。
お酒の失敗もなんでもネタにしたがる、ポジティブお化け。
笑顔と納豆と筋肉が好き。